こんにちは。
練習の休憩中です^ ^
ふと思ったことを書きますね。

トークやリサイタルの後に
よく質問されることがいくつかあります。
今日は感情についてお話しさせていただきます。

感情/心を込めて演奏するにはどうしたらいいですか
とよく聞かれます。

私の場合、まずその作曲家の背景、
曲について調べることから始めます。
楽譜は作曲家が、演奏家にどう演奏してほしいか
テンポ、強弱、アーティキュレーション、
曲の雰囲気やキャラクターなどなど…
細かく指示をしています。
演奏者にあてたメッセージのようなものです。
楽譜の指示に従いながら、
作曲者はどういう気持ちでこの曲を書いたのか、
何を伝えようとしているのか、
いろいろ考えながら練習を開始します。
1音1音の響きやハーモニーをよく聴き、
作曲者の気持ちを感じとります。
そうしているとその曲の世界に入りこむことができ
自分の曲に対する考えやストーリーがより明確になり、
感動を与える表情豊かで説得力のある演奏を
自分の気持ちを自分の言葉で、自分の色で
(これが演奏者の個性!)
言葉では表現できないニュアンスを音で表し
リスナーに伝えることができるのです。

私はハッピーで穏やかな時よりも
ハードタイム…
何か不運に逢っている時や辛い時の方が
感性が鋭く、
演奏中の曲のイメージ、
音の響かせ方、
鍵盤を触るタイミングやアプローチの仕方、
フレーズの歌い方、ルバートのつけ方、
そしてハーモニーのプログレッションに対して
とても敏感になり、自分の気持ちを
ストレートに音で表現することができます。

たくさんの人生経験をしないと
良い表現者になることも
良い音楽を創ることもできないなと
改めて感じます。